コンテンツ 僕のバレットジャーナル考

バレットジャーナルで見落とされがちなあのルールについて

太陽に向かって瞑想する人物

バレットジャーナル(*1)が「世界最強の手帳術」という称号を手に入れた理由は、もちろん手帳術や時間管理術として優れていたからに他なりません。

でも僕は、それ以外にもうひとつ重要な要素があったことが最大の理由ではないかと考えています。

多くの書籍や紹介サイトでは、不思議とそのことについて語られていないことが多いのです。

そのため、僕はあなたに「バレットジャーナルは誤解されている」と伝えたいのです。 

メモ

(*1)バレットジャーナル

アメリカ人デジタルプロダクト・デザイナーのライダー・キャロル氏が考案した独自のノート術の名前。

日本では2015年ごろから徐々に知られるようになり2019年の4月にライダー・キャロル氏本人による初の公式ガイドブックが出版されたことで大きな注目を集めた。

【公式サイト】
How to Bullet Journal

 

 

■ なぜか語られないバレットジャーナルの重要な儀式とは

結論から先にいうと、「そのこと」というのは「リフレクション」です。

バレットジャーナルでは、定期的に時間をとってリフレクションすることをすすめているのですが、なぜか多くの書籍や紹介サイトでは、リフレクションに関する記述が省略されていることが多いのです。

え?
リフレクションの意味が分からないから説明しろ?

もっともですね。

唐突に「リフレクションしろ!」と言われても、あなたも戸惑ってしまいますよね。

では今からバレットジャーナルにおいて重要な役割を果たす「リフレクション」について説明いたしましょう。

バレットジャーナルでは、自分のペースで「意識的に振り返る」ことをリフレクションと呼んでいます。

リフレクションという言葉は、日本語では「内省」「熟考」という意味に訳されます。

リフレクションする人

つまり「出来た/出来なかった」というような「反省」を行うことや、「リストアップされたタスクの進捗は?」というようなことの振り返りではありません。(それはそれで行うべきだと思いますが)

どちらかというと「リストアップされたタスクそのものが適切だったのか?」という問いに近い気がします。

・・・

もし仮に、あなたが「やるべきこと」という切り口だけでTODOリストを作成していた場合、早い段階でスケジュールが破たんしてしまうことでしょう。

なぜならば、あらゆるタスクというのは、どれも「重要そう」な顔をして、あなたに近づいてくるからです。

でもあなたに与えられた時間には、当然ですが限りがありますよね?

どんなに頑張って働いたとしても、あなたの1日が24時間以上に延長されることはありません。

ですからあなたは、むしろリフレクションを通じて積極的にタスクの断捨離を行うべきなのです。

そしてあなたの24時間の中で、処理が可能なタスクだけを残すべきなんです。

・・・

では何を捨て、何を残すのか…?

・・・

バレットジャーナルでは、タスクの断捨離を行うための「判断基準」はとてもシンプルに説明されています。

それは「自分にとって重要か? 自分の人生に価値を加えるか?」です。

このような「判断基準」を作るということは、あなた自身の「価値観の洗い出し」であり「どう生きるかの模索」であり、つまりは「自分探しの旅」なのです。

なんとも哲学的ではありませんか?

だから僕は、バレットジャーナルを単なる手帳術や時間管理術と捉えてはダメですよと言っているのです。

少し話がそれてしまいましたが、要するにバレットジャーナルにおけるリフレクションとは、自分にとって有意義な情報だけを残し、不要なものは常に取り除いてゆく行為です。

そうすることであなたのバレットジャーナルは純度が上がり、あなたの時間やエネルギーを間違ったことに使わないように軌道修正してくれるのです。

■ 公式本で紹介されているリフレクションの種類について

さて、ここでバレットジャーナルの公式本である「バレットジャーナル 人生を変えるノート術」で紹介されているリフレクションをご紹介しましょう。

◆午前の振り返り

明確な目的をもって1日が始められるようにするためのリフレクションです。
完了していないタスクを確認し、優先順位をつけるのです。
その優先順位にしたがって、処理の計画を立てましょう。
朝一番にこのリフレクションを行えば、あなたは明確な目的と自信をもって1日を始めることができると説いています。

頭の中をすっきりさせ、これから始まる1日のためのスペースをつくろう。


出展:「バレットジャーナル 人生を変えるノート術」

◆午後の振り返り

その日1日を見直して、ストレスと不安を解き放つためのリフレクションです。
完了したタスクに「×」をつけるなどして処理済みとします。
その日の成果をあなた自身が認めて、自分が前進できたことを評価するのです。
そしてすべての情報が更新されたら個別の項目に注意を向けます。

「なぜ、これは重要なんだろう?」「なぜ、これをしているんだろう?」「なぜ、このタスクの優先順位が高いんだろう?」などと、自問しよう。


出展:「バレットジャーナル 人生を変えるノート術」

◆月末や年末の振り返り

本当は大切でないことを手放すためのリフレクションです。
現在の自分を取り巻く状況の全体像を把握したうえで、自分に課せられているタスクについて考えます。
バレットジャーナルではタスクを手書きで翌日に書き写すため、その際にタスクをフィルターにかけてろ過するのです。(つまり翌日のページには書かない)

あなたがなにかに「イエス」と言えば、同時にほかのものに「ノー」と言っていることになると説いています。

そう、時間は有限なのです。

「移動」という作業を通じて、僕たちは大切なものに再び取り組み、大切ではないものを手放すことができる。


出展:「バレットジャーナル 人生を変えるノート術」

・・・

公式本で紹介されているのは以上ですが、是非自分のペースで意識的かつ積極的にリフレクションを行いましょう。

実際に僕は上記以外に1週間単位と四半期単位でもリフレクションを行っています。

■ リフレクションをするうえで大事なこととは?

ちなみにリフレクションで大事なことは、リフレクションにどのくらいの時間を使うかではなく、短い時間でも良いので、一貫して変わらずに定期的なリフレクションを継続することと言われています。

最初に目標にするのは、あなたの現在の状態を把握して、「なぜ?」を自問する習慣を身に付けることです。

自問自答する人

この「なぜ(Why)」という問いは、最初は小さく、ささやかなもので良いのです。

例えば、

「なぜ自分は、この作業を重要視しているのか?」
「なぜ自分は、この処理に時間をかけようとしているのか?」
「なぜ自分は、昼食にこの食事を選んだのだろう?」
「なぜ自分は、あの人の言動にストレスを感じるのだろう?」

のような、です。

小さなな「なぜ(Why)」を繰り返すうちに、やがてスケールの大きな「なぜ(Why)」にトライすることができるようになります。

それは例えば

「人生の意味とはなんだろう?」

とか

「自分に与えられた使命とはなんだろう?」

というような壮大なテーマに拡大します。

・・・

■ 日常的なリフレクションが突発的なトラブルの対処トレーニングになります。

そうした「なぜ(Why)」というリフレクションを日常的に行うことで、実は突発的なトラブルにも上手に対応できるようになります。

実際に急なトラブルに巻き込まれている時は、「なぜ(Why)」の答えを探すのが難しいと思います。

つらい状況に置かれている時に、物事を冷静かつ明確に考えるというのはなかなか出来ることではないからです。

でも、普段から自分の価値観や判断基準について考えておけば、ある程度思考を自動化してストレスを軽くすることはできるのです。

・・・

さらに言えば、リフレクションによって、あなたの生活に「幸福」を引き寄せる効果も期待できます。

バレットジャーナルでは、様々な書式を使いますが、すべて「手書き」というアナログな手法を推奨しています。

当然ながら書類を更新するたびに、古い書類から新しい書類へ要素を書き写すことになります。

実際にやってみるとなかなか手間のかかる作業だなと感じます。

この時、あなたは自動的にその要素を書き写すべきか、やめておくかの選択に迫られるのです。

もしあなたが「自分にとって重要だ。自分の人生に価値を加えるものだ」と判断すれば、その要素を新しい書類に書き写すことでしょう。

逆にそうは思えないと感じたら、あなたは書き写すことをやめ、その要素はあなたの人生から忘れ去られることになります。

これを繰り返すと、どうなるでしょう?

そうです。

あなたのバレットジャーナルに書かれていることは、すべてあなたにとって有意義な情報だけになり、その時のあなたにとって最も最適化された状態にチューニングされるのです。

さあ、有意義なもの「だけ」に囲まれた状態を想像してみてください。

どうです?

今より「幸福」があなたに引き寄せられている未来を感じませんか?

■ リフレクションの手順をもういちど整理してみます。

では最後に、改めてリフレクションの手順を整理しましょう。

バレットジャーナルの活用方法として非常に重要なのが「リフレクション(内省)」するという行為です。

バレットジャーナルはややもするとメモの取り方や、書式の設計の仕方が議論の中心になりがちです。

そのことはもちろん大事なことではあるのですが、記録して終わり、使い続けていれば良い、というものではありません。

僕はリフレクションしないバレットジャーナルは、手段が目的化していると言わざるを得ないと思っています。

【リフレクションの手順】

step
1
現在のあなたの活動をデータ化し、フィードバックする仕組みを作る。

step
2
データから、自分が置かれている状況を客観視する。

step
3
上手くいったこと、いかなかったことから新しい気づきを得る。

step
4
バレットジャーナルを更新し、常に内容を最適化する。

step
5
リフレクションを行い、頻繁に記憶や無意識に働きかける。

※リフレクションのタイミングは、振り返る内容ごとに適切なサイクルというものがあると思います。

それを意識することを忘れないようにしましょう。

例えば「朝いちばん」「1日の終わりに」「週明け」「新年」などが考えられます。

・・・

今回はあなたに「リフレクション」の大切さについてお伝えすることができました。

もしあなたがすでにバレットジャーナルを使っているならば、ぜひリフレクションのルール(いつ、どのように)を決めて実行してください。

単にタスクを効率的にこなすだけのバレットジャーナルから、大きく前進することと思います。

逆にバレットジャーナルをこの記事で初めて知った、まだ使っていない、という人は、是非バレットジャーナルについて学んでみることをおススメします。

あなたの人生に価値を加えるものと出会えるかもしれませんよ?

今回の僕の話はこれでおしまいです。

もしよかったらまた遊びにきてくださいね。

僕は今日も地球の片隅で目立たない戦いをしています。

 

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