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「理想の人生」の実現度合いを判定する「ある尺度」について

光に向かって両手を掲げる人物
Skitterphotoによる写真

世界の皆さん、こんにちは。

あるいは、こんばんは。

どうも、谷崎 元です。

僕は極東の日本という島国から、今回も悩める同志に向けてメッセージを送っています。

※このブログサイトではアフィリエイト広告を利用している箇所があります。

・・・

さて、今回はあなたが「理想の人生」を実現できているかどうかを判定する「ある尺度」についてお話ししたいと思います。

僕は以前のエントリーで、「理想の人生」というのは「四大活動資源」が満たされた状態のことであると書きました。

メモ

「人類数千年の論争がついに決着か?「理想の人生」の正体とは」
https://www.hajimetanizaki.com/content/what-is-life-14/

できればぜひそちらを先に読んでから以下の文章を読んで欲しいと思いますが、内容を簡単に紹介します。

僕が考える「理想の人生」というのは「サクセス」と「ハピネス」のバランスが取れた状態を言います。

そして「サクセスしたい」とか「ハピネスになりたい」という意欲を持ち続けるために必要となるのが、人生における「四大活動資源」です。

「四大活動資源」というのは僕の造語ですが、それは以下の4つを指します。

 01.時間
 02.お金
 03.健康
 04.意欲

人生における四大活動資源の図

もしもこの「四大活動資源」のどれかがひとつでも尽きてしまうと、あなたはもう「理想の人生」を目指す活動を行えなくなってしまいます。

逆に言えば、この「四大活動資源」のそれぞれが満たされた状態を作り出すことが、あなたの「理想の人生」を実現するための最適解と言えるのではないでしょうか?

■「四大活動資源」が満たされた状態とはどのように判定するか?

次に『どうやってこの「四大活動資源」が満たされたと判断するか?』という新たな疑問が発生するかと思います。

僕はそれらが満たされた状態というのは、いくら使っても枯渇しないだけの十分な量を確保できているか、あるいは必要だと思ったときに、すぐに取り出せる状態を言うのではないかと考えています。

これには別の切り口で説明を加えたいと思います。

まず「満たされている」と「満たされていない」の間には明確なラインがあると考えてください。

「満たされている」と「満たされていない」の間には明確なラインがある

しかし、そのラインを具体的に定義することはできないでしょう。

あるいは完全にメジャラブル(*)な形で数値化することもできないでしょう。

(*)メジャラブル(Measurable)
測定可能な、という意味です。
例えば経済力は「年収○○円」という貨幣価値で数値化できます。
当然年収200万円の人より年収1,000万円の人の方が上位です。
このように、具体的な数値に置き換えて把握するということです。

なぜならば、「理想の人生」というものは人によって定義がまちまちで、このラインを越えたら十分だ、これでOK、というようには定義できないからです。

従って、これはもうあなた個人の感覚的な判断で「満たされている」か「満たされていない」かを決めるしかありません。

でも安心してください。

あなたがその判定を行うためのヒントになるキーワードをプレゼントします。

僕は自分の「四大活動資源」が満たされているかどうかのラインをどこに引けばよいのか、の答えが『自尊心』にあると考えています。

■あなた自身の『自尊心』はどのような回答をするだろうか?

『自尊心』を辞書で引くと以下のような解説が出てきます。

自尊の気持。自分を尊び他からの干渉をうけないで、品位を保とうとする心理や態度。プライド。

出典:精選版 日本国語大辞典

自分の人格を大切にする気持ち。また、自分の思想や言動などに自信をもち、他からの干渉を排除する態度。プライド。

出典:小学館デジタル大辞泉

自尊心(じそんしん)とは、心理学的には自己に対して一般化された肯定的な態度である。英語のままセルフ・エスティーム(self-esteem)とも呼ばれる。

ここでは社会心理学における自己の概念に関して、育み維持される自己評価や、あるいは「ありのままの自己を尊重し受け入れる」態度とする。

出典:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

さて、では『自尊心』という尺度を使ってあなたの「四大活動資源」が満たされているかどうかを吟味してみましょう。

吟味の方法は自分に対する『この私にふさわしい状態か?』という問いかけです。

次の質問について、あなた自身の『自尊心』はどのような回答をするでしょうか?

  • 01.時間
    現在の私に与えられた「可処分時間」は適切な長さであるか?
    必要な時に、必要とするだけの十分な「時間」を自由に確保することができるだろうか?
  • 02.お金
    現在の私が保有している総資産の総額は、私という存在にとってふさわしいものだろうか?
    またそれは、私のこれまでの努力に見合うものだろうか?
  • 03.健康
    現在の私は健康面において、理想的な状態にあるだろうか?
    (もともとの身体的な障害や、基礎的な疾患がある場合は、その状態の中でも最適なコンディションであるかどうかを考えてみてください)
  • 04.意欲
    現在の私は、自分の人生を生きることについて、高いモチベーションを維持しているだろうか?
    また周囲の人たちとは良好な関係を築いているだろうか?

いかがだったでしょうか?

あなたの『自尊心』は満たされた状態だったでしょうか?

残念ながら「四大活動資源」のすべてが十分に満たされた状態という人は少数派だったのではないかというのが僕の予想です。

しかしそれでも、これまでは漠然としか捉えることができなかった「理想の人生」とか「サクセス」とか「ハピネス」といったものと、現在の自分との距離感のようなものはつかめたのではありませんか?

■ウィリアム・ジェームズが発見した『自尊心』の公式

ぼんやりしている風景をより鮮明にするために、この『自尊心』という言葉をもう少し深掘りしてみたいと思います。

『自尊心』は心理学の世界で長らく研究されている概念のひとつです。

『自尊心』に関するもっとも古い部類の文献に、アメリカの心理学者ウィリアム・ジェームズが1890年著した『The Principles of Psychology』があります。

ウィリアム・ジェームズはその著述の中で「人間の満足度は成功したかどうかだけではなく、その成功が期待以上のものだったかどうかにかかっている」と結論付けました。

そこから彼は[ 自尊心=成功/願望 ]という公式を導き出しました。

ではこの数式に仮の数字を当てはめることで、結果がどのように動くかシミュレーションしてみましょう。

まず最初のパターンですが、何かを行う際に、得られるだろうと思っていた期待値を仮に[10]とします。

そして実際に得られた結果も[10]だったとします。

この場合の満足度、つまり『自尊心』は[1]となります。

例1

成功[10]÷願望[10]=自尊心[1]

次は得られた結果が2倍の[20]だったケースを考えてみます。

例2

成功[20]÷願望[10]=自尊心[2]

この場合、自尊心は[2]となります。

最後に、得られた結果は[10]のままですが、そもそもの期待値が半分の[5]だったケースを考えてみましょう。

例3

成功[10]÷願望[5]=自尊心[2]

この場合の自尊心は[2]という結果になります。

以上の結果から、「成功」と「願望」そして『自尊心』の関係性が明らかになりました。

そして同時に『自尊心』の数値を最大化するためには、得られる「成功」の数値を上げるか、反対に、もともとの「願望」の数値を下げるか、その二つのアプローチがあることが理解できたかと思います。

■「四大活動資源」の水面を「ベンチマーク」と呼ぶことにする

ウィリアム・ジェームズが唱えたように「人間の満足度は成功したかどうかだけではなく、その成功が期待以上のものだったかどうかにかかっている」のであれば、僕たちは自分自身の「四大活動資源」が満たされているかどうかのラインを好みの高さに置くことで、満足度をコントロールできるということです。

なお、ここではこの「四大活動資源」の水面を「ベンチマーク」と呼ぶことにしましょう。

あなたの『自尊心』が「四大活動資源」のベンチマークより上にある場合、つまり上回っていることを「アウトパフォーム(アウトパフォーマンス)」していると表現します。

反対に『自尊心』が「四大活動資源」の水面下に沈んでいる場合には、「アンダーパフォーム(アンダーパフォーマンス)」していることになります。

ちなみに中立の場合が「ニュートラル」です。

「四大活動資源」の水面を「ベンチマーク」と呼ぶことにする

繰り返しになりますが、この「ベンチマーク」には絶対的な数値が定められている訳ではありません。

あくまで個人の主観において、あなたが自由勝手に設定して良いのです。

だとすれば、あなたがアウトパフォームするためにできることは以下のふたつです。

A.「ベンチマーク」を超えるための努力
B.「ベンチマーク」を下げるための工夫

■『ベンチマークを超えるための努力』について

念のため『ベンチマークを超えるための努力』と『ベンチマークを下げるための工夫』について、少し補足しておきます。

まず『ベンチマークを超えるための努力』についてですが、これは得られる成果を最大化するために努力すること、と言い換えることができます。

そのためにまずあなたがやるべきことは、あなたの『自尊心』に問いかけて目標を定めることです。

つまり、目指すべき「ゴール」を設定するのです。

「四大活動資源」の構成要素は「時間」「お金」「健康」「意欲」の4つでしたね。

それぞれについてあなた自身がひとまず満足できる目標を具体的に定めましょう。

「お金」の要素以外はメジャラブルな数値に落とし込むことは難しいのですけれど、それでもトライしてみる価値はあります。

そして目標が定まったら、次にその目標と現在とのギャップを明らかにしましょう。

ギャップが明らかになったら、今度はそのゴールを達成する期限を決めましょう。

期限が決まったら、それを日々の行動計画に落とし込むのです。

例えば、「お金」に関する目標を「10年で資産を2,000万円にする」と定めたとします。

そのためにはあといくら資産を増やさないとなりませんか?

そして不足している分は、どのようなペースで増やしますか?

もし、あなたがその質問にすぐに答えられないのだとしたら、あなたがまずしなければならないことはお金に関する正しい知識を学び、マネーリテラシーを上げることになります。

ではいつまでにその知識を身につけたいですか?

今日からその日までの学習計画を練りましょう。

さあ、ぐずぐずしている暇はありません。

僕は「努力」というのは、「勝つことへの執念」だと考えています。

つまり本気で取り組むということです。

■『ベンチマークを下げるための工夫』について

前述の『ベンチマークを超えるための努力』は比較的分かりやすいと思いますが、こっちの『ベンチマークを下げるための工夫』は少々誤解されやすいかもしれません。

ウィリアム・ジェームズの考案した公式[ 自尊心=成功/願望 ]を見て、ベンチマークを下げるには単純に「願望」の期待値を下げれば良いのだと解釈してはなりません。

確かに計算上は「願望」の期待値を下げることで満足度の数字を大きくすることはできます。

しかし、人間に感情がある限り、自分を卑下したり、不満を押し殺すことでは『自尊心』を満たすことなど到底かないません。

僕は何も「上を目指すな!」とか「所詮自分はこの程度の人間だと言い聞かせろ!」というようなことを言いたいのではありません。

「ベンチマーク」を下げるための工夫とは、自分をいじめることでも我慢を強いることでもないのです。

先ほど「努力」といのは、「勝つことへの執念」だといいました。

反対にこの「工夫」というのは、「負けないための施策」であると考えています。

「努力」というのはいかにしてプラスを生むか、ということが主眼になりますが、「工夫」というのは、いかにしてマイナスを出さないか、を考える行為です。

とりあえず思いつく「工夫」を一例として挙げてみます。

■『ベンチマークを下げるための工夫』の一例

正しい情報を知り、一般的にどの程度が平均的な成果となるのか、正しく見積もりましょう。
情報不足が原因で過度に成果を期待したり、反対に極端に少なく見積もったりすることを避けるためです。。

○常に創造性を働かせて、よりよい方法や手段を探しましょう。そのためにはあなたのテーマについてとことん考えぬくことです。

○苦手なことの克服に時間をかけすぎないようにしましょう。それよりも、あなたが得意なことを伸ばすことに注力しましょう。

○「無いもの」を欲するのではなく、すでに「有るもの」に着目しましょう。そしてそれが有ることに感謝しましょう。

不要なものは持たないと決めましょう。買わないで済ます方法を考えるのです。例えば借りるとか、他のもので代用するとか、工夫次第でどうにかならないか考えてみましょう。

○ムダを省きましょう。道具や食材を大切にして、きちんと使いきることを習慣にしましょう。それが最小限のリソースで成果を出すことにつながります。

他人と自分を比較するのをやめましょう。ノイズになるならSNSから遠ざかりましょう。また、必要以上に自分を大きく見せることは慎みましょう。

休憩しませんか。脳に注意力ややる気が蓄えられ、生産性や創造性が促されますよ。特に睡眠はあなたのパフォーマンスを毎日最高レベルに維持するために必要不可欠です。

○固定観念や思い込みを捨て、何事にも前向きに挑戦しましょう。同時に負けることを恐れない勇気をあなたの中に育てましょう。

○「負けない」ための最大の奥義は「戦わない」こと。もちろんあなたに「負け犬になれ」と言っているわけじゃないことは伝わっていますよね?

■まとめ

今回僕がお伝えしたかったことを改めて3つにまとめます。

01.あなたの「四大活動資源(時間、お金、健康、意欲)」は『自尊心』という尺度を使って吟味した場合、『この私にふさわしい状態だ』と言い切れますか?

02.心理学者のウィリアム・ジェームズは「人間の満足度は成功したかどうかだけではなく、その成功が期待以上のものだったかどうかにかかっている」と唱え、そこから[ 自尊心=成功/願望 ]という公式を導き出しました。

03.『自尊心』とは言い換えれば満足度のこと。満足度を最大化するためにあなたができることは『ベンチマークを超えるための努力』と『ベンチマークを下げるための工夫』である。

・・・

とりあえず今回の僕の話はこれでおしまいです。

でも、まだ僕の話は始まったばかりです。

このブログを通じてあなたが現在の「イケてない自分」と、理想として思い描いている「イケている自分」とのギャップを埋めるヒントをお伝えできたらいいなと思います。

もしよかったらまた遊びにきてください。

僕は今日も地球の片隅で、目立たない戦いをしています。

それではごめんください。

メモ

【ひとつ前の記事を読む】
#0015│『幸せとお金の経済学』による「サクセス」と「ハピネス」

僕が考察した「理想の人生」における「サクセス」と「ハピネス」の関係性や構造を説明するのに、ぴったりの理論に出くわした。それはアメリカ人経済学者のロバート・H・フランクが『幸せとお金の経済学』で提唱した「地位財」と「非地位財」という考え方だ。
⇒ https://www.hajimetanizaki.com/content/what-is-life-15/

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